鎌倉農泊協議会の間宮です。
今回のタイトルは「悲しむ前に」。
悲しみの前に、パワーゲームが始まりました。
武家の棟梁の落馬。
頼朝の命と共に、鎌倉殿の権威が消え去ろうとしている。
主人を振り捨て、鎌倉が暴れ始める。
(ドラマのプロローグより)
頼朝は御所に運ばれて、安らかに眠っている。
「神仏がこぞってお助けしても、持ってあと数日」
政子や、義時が受けた衝撃は大きい。
だが、政子は歯を食いしばり、涙をこらえている。
義時は御家人の中でも口が固く、義時が信をおく梶原 景時、畠山 重忠に真実を告げた。
「神仏のご加護はもうないと、ご自身が言っておられた。速やかに次の政所の形を定めます」
義時は、この事実を外に漏らさない。
嫡男の頼家は、鹿狩りに出たまま、未だ戻っていない。
義時は朝廷に近い大江 広元、三善 泰信、中原 親能、二階堂 行政の文官と緊迫した会議を交わしている。
「朝廷のしきたりでは、喪中は昇進できません」
「ならば、ご逝去の前に駆け込みで願いでを」
皆が一斉に動き出した。
義時は鎌倉を守るために粛々と葬儀の準備を進めていく。
翌朝、鹿狩り装束のまま頼家が御所に駆けつけた。
自分が跡目を継ぐ。隠すこともない。御家人を集めて事実を知らしめよう。比企に任せよう。
「比企殿に頼めば、父が文句を言い、父に任せれば比企が黙っていない」
若い頼家は政が何かわかっていない。義時が頼家に説得した。
次いで広元が、「臨終出家」が良いと言った。
政子の了解を得て、頼朝の髷を切った。すると中から小さな観音像が出てきた。
比企尼には捨てたと言った観音像を頼朝は、ずっと大事にしていたのだ。
いつしか政子はうたた寝をし、はっと目を覚ますと、
頼朝が縁側に座っていて、お菜の器を手にして、ぼんやりと政子を見ている。
人を呼び縁側に出たら、頼朝が、横たわっている。
政子が抱き起すと、頼朝は既に、こと切れていた。
鎌倉の一角にある広場に火葬場で、頼朝は身内に見守られて荼毘に付された。
長い間、側近として使えた安達 盛長が、頼朝の骨壷を御所の裏にある持仏堂に納めた。
以降、ここが頼朝を祀る法華堂となった。
義時が危惧した通り、次の鎌倉殿の座をめぐり、
頼家を推す比企と、全成を推す時政が対立した。
パワーゲームだ。
「あとは、御台所のお裁きに従うしかない」
広元が中に入った。
義時は政子に会い、腹を括って跡継ぎを決めて欲しいと説得した。
頼家は、謹んで政子の願いを受け止めた。
頼家は御所にご家人を集めて、二代目鎌倉殿を継承すると宣言した。
義時は火葬を終えた広場に寂しく佇んでいた。
そこへ頼時が来て、頼朝が落馬した時の着衣の汚れ方から、
先に気を失い、そのために馬から落ちたと推測した。
「振り落とされたわけではありません」
鎌倉殿の方に土がついているのは、手をついていないからだ。
「・・・よくぞ見抜いた。太郎(頼時)」
これで武士の面目が立つと納得した。
頼朝なき今、義時のやるべきことは残っていない。
鎌倉を去り、伊豆に退くことを政子に伝えた。
「あなた卑怯よ。私はあなたに言われて腹を括ったのですから。少しは責任を持ちなさい」
政子が義時に何かを握らせた。
そっと手を開くと、頼朝の観音像が義時を見つめていた。
(つづく)
【鶴岡八幡宮】
源 頼義が石清水八幡宮を由比郷鶴岡に勘定したことに由来します。
その後、源 頼朝が現在地に遷し、放生会(ほうじょうや)や流鏑馬(やぶさめ)を奉納しました。
以来源氏の氏神、幕府の守護社として御家人の館の崇敬を集めました。
名称 | 鶴岡八幡宮 |
所在地 | 神奈川県鎌倉市雪ノ下12-1-3 |
【源氏池】
源平池は若宮大路(わかみやおおじ)の造営と一緒に行われたと考えられます。
吾妻鏡によると大庭 景義らが造営の奉行を努めました。
源氏池には島が三つ。産に通じ源氏の繁栄を意味し、
平家池は島が四つ。死に繋がり平家の滅亡を意味する。政子の考えに沿ったと言われています。
名称 | 源氏池 |
所在地 | 鶴岡八幡宮内 |
【白旗神社】
白旗神社は鎌倉の西御門に鎮座する神社。頼朝の亡骸が葬られた法華堂があった場所です。
少し東側には北条 義時の墓、の法華堂遺構とともに
毛利 季光、大江 広元、島津 忠久、三浦 康村一族の供養塔があります。
名称 | 白旗神社 |
所在地 | 神奈川県藤沢市藤沢2-4-7 |
【頼朝の墓】
源 頼朝の法華堂跡です。
頼朝の持仏堂として建てられ、没後に法華堂と呼ばれるようになりました。
現在、頼朝の墓のある平場がその跡地と考えられています。
いつ行っても新しい花が飾ってあります。
名称 | 頼朝の墓 |
所在地 | 神奈川県鎌倉市西御門2-5 |
【流鏑馬】
流鏑馬は頼朝が武士の道徳を養わせるために、弓道や馬術を奨励したなごりと言われています。
狩り装束の武士が、全力疾走する馬上から三つの的を射抜きます。
掛け声とともに鏑矢がパシッと板が割れて舞い上がると観客から歓声が上がります。
また次回もお楽しみに!