【鎌倉ピックアップインタビュー】イタリア酒場 シチリアーナ オーナーシェフ 池田慶司さん

体にも心にもやさしい、鎌倉のスローフードイタリアン。

サーフトリップ帰りに出会った幸運な出来事。

イタリア酒場シチリアーナのオーナーシェフ、池田慶司氏がお店をオープンしたのは2010年。平塚のイタリアンレストランで25年間勤めた後、独立した。七里ヶ浜という場所を選んだ理由はサーフィン好きからだ。
「伊豆に行ったり、七里ヶ浜にきたりしていて、いろいろな海に入っていたんですけれども、この七里ヶ浜の穏やかな波質が気に入り、この場所に決めました」

シチリアーナといえば、テラス席から目の前に七ヶ浜の海が広がる素晴らしい眺望は特筆すべきポイントだ。

「この近所に住んでいる家内の友人と伊豆にサーフトリップに行き、朝帰りしたときにこちらのビルに“テナント募集”と貼ってありまして、ダメもとで不動産屋さんに電話しまして」と池田氏。眺望抜群のテナントを幸運なことにあっさりと手に入れたのだ。

体においしい料理をお酒とともに楽しむ空間。

シチリアーナの料理はすべてが池田氏手作りのスローフード。添加物を一切使わず、ベースの味付けは塩とハーブというシンプルなものだ。「私自身が結構お酒を飲むものですから、体のケアをしながら、おいしいものを食べて、アルコールによって負担がかかる部分を食べ物で補いながら、また上質なお酒を飲んで楽しく時間を過ごしてもらいたいと思っています」

そのコンセプトを物語るように、ワインも体に優しいナチュラルワインが揃っている。そしてメニューに並ぶのは、鎌倉野菜や海の幸を使った料理。
「鎌倉は野菜がおいしいので、連売(鎌倉市農協連即売所)で買っています。農家さんと買い手の人が直で話し、農家さんもそれに対応して野菜を作っていて、ちょうどいいタイミングで収穫して出してくれるので」

色鮮やかな鎌倉野菜を使ったバーニャカウダは見た目にも美しく、人気かつおすすめの一品だ。

鎌倉の食材の魅力は、作っている人の顔が見えること。

野菜は連売で、魚の仕入れは片瀬漁港がメイン。そのほかにも由比ヶ浜の漁師さんから地ダコなどを仕入れたり、時には小田原の方にまで仕入れに出かけたりすることも。鎌倉の食材の魅力は、野菜を作っている農家さん、魚を獲っている漁師さんの顔が見えること。

「話しをしながらその食材を購入できるというのがすごく魅力ですね」

日本国内からの観光やサーフトリップはもちろん、海外からの観光客も増えている七里ヶ浜。シチリアーナにも多くの外国人のお客様が来店する。外国人客に好まれるのは、意外にもいわゆるスタンダードなイタリアンのメニュー。

「同じイタリアンでも、ちょっと冒険して、地元鎌倉や日本の食材をアレンジしたイタリア料理を召し上がっていただきたいですね」

海を眺めながら、鎌倉のスローフードを愉しんで欲しい。

池田氏が最も大事にしているのが食材。

「国内の観光客の方にも湘南でしか食べられない食材のお料理を楽しんでいただきたいと思います」

他県や外国からのお客様に日本の良さ、湘南、鎌倉の良さを伝えられる料理を提供し、喜んでいただくことはもちろんながら、観光の方ばかりに目を向けるのではなく、地元の方に長く愛される地域に根ざした店を目指したいと池田氏は考えている。

イタリアで生まれたスローフード運動。それは、その土地の食材を使い、食文化を守り、生産者と消費者をつなぎ、そしてゆっくりと食事を楽しむというもの。海を眺めながら、時間を忘れてのんびりと鎌倉のスローフードを味わう。そんな時間を過ごすにはイタリア酒場シチリアーナはうってつけだ。

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