SDGs型農泊 松尾崇市長と鎌倉の観光と農業について対談

松尾市長インタビュー          令和2年10月13日(火)(鎌倉市役所)

出席者 松尾崇市長
鎌倉農泊協議会会長 大川桂一、アドバイザー 間宮武美

松尾崇市長のプロフィール

鎌倉市生まれ。鎌倉市立西鎌倉小学校、鎌倉学園中学校、鎌倉学園高等学校、
日本大学経済学部経済学科卒業。1996年 日本通運入社。1999年 退社。
2001年4月22日 鎌倉市議会議員選挙に出馬し史上最年少でトップ当選を果たした。
2005年鎌倉市議再選。2007年、市議を任期途中で辞職。
2007年4月8日 神奈川県議会議員選挙に出馬しトップ当選。
2009年 神奈川県議会議員を任期途中で辞職。
2009年10月25日 鎌倉市長選挙に無所属で出馬し当選。
2013年10月27日 鎌倉市長選挙に出馬し再選。
2017年10月22日 鎌倉市長選挙で3人の新人候補者を破り3選。

間宮 みなさん、こんにちは鎌倉農泊協議会アドバイザーの間宮です。今日は、鎌倉市の松尾市長と、我々農泊協議会会長大川との対談の様子をお届けいたします。

まず、大川さんの紹介を私から簡単にさせていただきます。

大川会長は東京の中央区に“Brain Trust from the Sun(ブレイントラストフロムザサン)”

という会社の代表取締役です。ブレイントラストというのは「信頼される」や「信頼すべき」という意味があり、そういった志のもとに創業された会社と聞いております。

資格は宅地建物取引士、1級ファイナンシャルプランニング技能士、公認不動産コンサルティングマスターといった資格を若いうちから取得されており、僕なんかの領域とは全く畑違いのところで活躍をされているのですが、なぜその大川さんが鎌倉なのか、なぜ僕がアドバイザーになったのか、大川さんからお話を始めていただきたいと思います。

大川 まず松尾市長、本日は快くインタビューを受けていただきありがとうございます。

松尾 いえこちらこそ。

なぜ、鎌倉で活動を始めたのか。

大川 我々の鎌倉農泊協議会というのは、我々の宿に泊まっていただいた方が街で食事などをされることで、鎌倉の第一次生産者の方の収入につながるということで農水省の助成金を受けて活動しています。そこで事務局の弊社は一緒に鎌倉を盛り上げていこうと。私は東京の不動産屋なので、鎌倉の人と一緒にやっていくために、FBの「♯頑張ろう鎌倉」で人材募集をしていました。当初、若い方を想定していたら、ご高齢でお元気な方から連絡が入りました。それが間宮さんでした。「僕は、鎌倉からソウルから歩いたことがあるんだよ」ということを言われ、面白い人だなということで、鎌倉でお会いしたら、もう元気な方で「僕はこういうことをやりたいんだ、こういうことで鎌倉に貢献したいんだ」っていう話を聞かせていただき、こんなエネルギッシュな人と一緒にやれるなら、きっと良いPRをしてくれるだろうなと思い、間宮さんに参加をしてくださいとお願いしたんです。そうしたら、すぐさま協議会の課題も理解していただいて、「我々の活動を鎌倉の行政はどう考えているのだろう。市長と対談をしましょう」となり、今回のインタビューになりました。

なぜ鎌倉かという事ですが、東京都の政策で「高齢者のかたの働く場を作ろう」という高齢者職域対策事業というものがあり、65歳以上の方を採用するという助成事業に弊社が採択いただきまして、そこで採用した方が後輩で鎌倉の富永忠男さんというサーファーの人を雇ってみないかと提案がありました。この人は鎌倉の良いところ見つけるのに長けている人だから、せっかくだから採用してという話を頂いて、本当にもう空き家の一室をお借りして、富永さんに宿の運営を始めていただいたのが鎌倉での活動展開のきっかけになりました。

高齢化社会について

大川 富永さんもそういった形で出会ったときは60歳くらい、今は宿も増えて6軒くらいやっているのですが、彼も65歳くらいになったのかな。

高齢者と一言でいっても昔の高齢者ではなく元気でパワフルな方が多く、そういう方々の活躍の場を作りたいと考えています。これからの高齢化社会において、高齢者が支えられる側ではなく支える側にまわることが多いと思うのですけれども、市長としては鎌倉のそういった高齢者の方をどんなふうにご覧になっているでしょうか。

松尾 まさしく日本が60歳を定年にしてそれ以降は支えられる側と定義して、この戦後を作ってきたわけですけれども、鎌倉も65歳以上の高齢化率が30%を超えており県内で見ても高い位置に居るのですけれども、今後は75歳以上が増えていく、これが課題として掲げられる部分ではあるんですけれども、おっしゃるようにその後期高齢者全員が支える側なのかというと決してそうではないと感じます。

これは一人ひとりそれぞれの〝生き方〟ですのでそれぞれの考え方が尊重されるべきなのです。けれども、多くの高齢者の方と話していると、やはりこう〝生きがい〟ですとか、

〝自身の経験知識をもっと活かしたい〟と仰る方が多くて、それをどう市としての活動の中で活かしていくかという事は常に考えなくてはならない部分です。

また行政としては「セカンドライフ鎌倉」という、これは厚労省の事業を受けてそういった事業を展開しているのですが、新たに働く場を提供していったり、観光協会様とは外国語のボランティアの関係で働ける方を広げていく可能性っていうのを探っていたりですとか、そういった意味では積極的にやっていきたいなと考えております。

間宮 僕も高齢者の一人ですが、国が勝手に前期高齢者、後期高齢者って、冗談じゃないよと。引退してこれからのびのびと自分の活動とか、ブログとかで「元気高齢者」と発音が似ているので発信していました。今度は後期高齢者になってしまったので、後期っていうと光輝くとか、色々ありますが、好奇心の好奇高齢者でいいやって思っていたら、僕の先輩が「お前はまだまだ学べ、己を耕さなければならない」ということで耕す己で耕己高齢者と言っています。

市長が説明された外国語活動では、一昨年に「TRIPULS(トリプラス)」っていうグループを募集し、鎌倉で65歳以上でパソコンが出来て英語が少し喋れる人というプロジェクトを組んで活性化して、いろんな形でお客さんを世界から鎌倉へ招こう。「私ははお蕎麦づくりを教えよう」「僕は広町緑地公園を案内する」とかいろんなアイデアが出たんで、チラシを作って「さぁ、これから」という時にこのコロナ禍で、今ちょっと休眠状態なんですけれども。そういった取り組みに乗らせてもらった一員だったので、そういう鎌倉市のシステムやインフラを作ってもらえるのはありがたいですね。

コロナ禍での飲食店は。

大川 先ほどの市長から説明にありました、今までの経験を活かしたいというケースでは、間宮さんのソウルまで歩いて結果、韓国の安東市という一都市と姉妹都市に結び付けるという経験もなかなか出来るものではないですね。松尾市長ともですが、石渡前市長の時からも国際交流ということではいろいろと活動されたと聞いています。

またこのコロナ禍という状況もあって、外国の方々がなかなか来れない状況になっている中で、特にオーバーツーリズムとよく言われることですが、コロナ禍の中で「♯頑張ろう鎌倉」のサイトもそうですけど、飲食店さんなんかがそこで苦しい思いをされていますね。

今後の国際社会の中で鎌倉という風光明媚な観光地に、来すぎても困るし、適正な数の観光客が来て鎌倉市が潤うという観光政策は、受け入れる鎌倉側としてはどのようにお考えでしょうか。

松尾 なかなか難しい課題ではあるのですが、これまでは〝観光客数〟ということでしか見てこなかったんですが、これからは〝交流人口〟〝関係人口〟という視点が非常に鎌倉にとっては大事になってくると思っています。

特に直近の話題で言いますと、鎌倉はクラウドファンディングを多用するのですが、市内に「観光案内版」を設置するためにクラウドファンディングを行うと、1人1万円で100万円集めて、1人1人の名前を刻むのです。その時に寄付してくださった方のコメントを見ると「私、鎌倉大好きなんです。しょっちゅう鎌倉行かせていただいているんですよ」という市外の方がとても多いのです。何か1つでも貢献できることを探していた中で、ちょうどこれがあったのでと.逆に感謝をしていただきながら1万円を頂けている、というすごくありがたい話があります。鎌倉に何かしらかの方法で、鎌倉に住んでいない、来るのも時々だけれど、色々な形で鎌倉に関わりたいとの想いを、もっと行政としては大事にして、皆さんを巻き込んでいきたい。これが非常に大事だとおもっています。

それは国内だけにとどまらず海外の方々も、特に今オンラインも積極的に活用できますので鎌倉に来られなくても鎌倉にいろんな形で、つながれる方々の輪を広げていくことがすごく重要だと思っております。

間宮 クラウドファンディングで、中止になりそうだった花火を、皆さんの力であれだけの花火大会が開催出来て、素晴らしい結果でしたね。

今の市長のお話の中で〝観光客数〟からの視点で言うと、鎌倉は年間で2000万人の訪問者が居る。だけど落としてくれるお金が平均3500円。お寺と神社回って1000円か1500円、1000円にしても、ランチ食べると1500円で、あとお土産代が1000円しか残っていない。

僕は松尾市長にもあるときお話したんですが、もっと人を増やすんじゃなくて、お金を落とすインフラってないんですかねと。僕もぼんやりしていたんですけども、今回、大川さんとのプロジェクトと知り合って、まず泊まってもらおうと。鎌倉はほとんどが日帰りなんですね。外人さんも夕飯食べて、泊まってもらうにはホテルが少ない。

こじんまりした古民家を再生して、泊まってもらって、地元でご飯も食べてもらって、色々な体験をしてもらえる。まさに2000万人の平均単価ではなく、お金を落としていくインフラの良いアイデアに組み込んでくれたらと思ったんで、ぜひ応援させてほしい。とそういうところに繋がっているんですね。

「知ってください。来てください。泊まってください」ですね。

空家問題について。

大川 我々の宿はすべて空家を再生しています。我々が東京から鎌倉にきて、不動産デベロッパーが宿をやるっていうのは、上手く行かないだろうなと思ったんです。

そこで、先ほど話に出てきた鎌倉の富永さんがサーフボードチームをやっていまして、

鎌倉はすごくファンが多い街ですけども、すごく気品があって、言葉を選ばず言うと排他的な風潮があったので、やはり鎌倉の人を主役にして活動しなくてはダメだろうなと思たんです。富永さんがやっているサーフボードチームのT-REEFサーフボードという名前を頂いて「T-REEFバケーションハウス」という名前で始めたのです。

今日の取材スタッフは、すべてT-REEFのメンバーなんです。

実は、その空家を全部リノベーションして、手先が器用なサーフボードを作る富永さんが古民家再生をしたら、オリンピックチームがどんどん来てくれたのです。またたく間に、ありがたいことに、現在6軒の宿を運営しているのです。

鎌倉ほど市場性が良いところでも空家問題は、結構出てきてると思うんです。2030年には30%が空き家になってくるんだという話ですね。空き家が増えると犯罪が増えたり放火する人が増えたりという形になってくると言われます。

人気のある鎌倉からすると、そこまで重要な空家問題じゃないかもしれませんけども、空家問題は、根本的には少子高齢化の影響が原因だと思うんですけども、市長その辺はどのようにお考えになっていますでしょうか。

松尾 やはり空家の活用というのは鎌倉も問題になっています。約1割の空家があるんですけども、実は調べるとそこを貸していただけるっていうこところにもハードルはあったりしますね。貸したことによって周りに迷惑をかけることがあると。自分たちが、地元に対して迷惑をかけることになってしまう事になり、そこを非常に心配される声っていうのをキャッチできました。

そういうところからすると、大川さんの場合のように、うまく使っていただけるというところとマッチングできれば良いのだろうなと思います。

一つは地域の中で使っていくということがあるのですが、お話にあったような民泊でやっていただくというのは、鎌倉に泊まりたいという必要に合わせて非常にいい使い方だと思っています。

騒音問題やゴミ問題は

松尾 宿泊者の出す騒音とかに関しては、周囲から結構苦情もいただくことがあるものですから、そこは一緒に地域の中に溶け込んで入っていただくという経験も、併せて楽しんでいただければと思うところです。

大川 非常に身をつまされるところです。我々宿のホストの富永さんが、一番苦労されているのがやっぱり周りのご近所の方との関係性で、フラックシップとなる『琥珀』という古民家を再生した物件があるんですが、そこがオープンした時に、うちは簡易宿舎か民泊の免許を取りやっておりますので、すべて合法的なのですが、フラックシップなので大きめの10人泊まれる宿にしたんですね。そうしたら初回に学生さんが泊って大騒ぎしちゃいまして、近所の方に申し訳ないというので、富永さんが菓子折りもって謝りに行って、本当にお叱りの言葉をされる方もいらっしゃいました。

ただ温かい目で見守ってくださっていた方がいらっしゃったのは、こちらがリフォームをすごく丁寧に頑張っておりましたので、せっかくあんなにしっかりしたリフォームしたのに、心無い人が泊っちゃって残念だったね。という言葉をくださる方もいらっしゃいました。

逆に我々が、まだリノベーションをしていない時に、近隣の方が工事をしていると「ご迷惑かけるね」と声をかけてくださるので「意外にやさしい街じゃん」というのが僕の率直な感想でした。

富永さんは逐次報告してくれるので、やはり人間対人間で重要なのは、鎌倉の人達の生活をリスペクトして行くことで、後はそういったご迷惑をかけることを極力なくすように運営をしていくことが肝心なのかなと思います。

鎌倉の方は生活者としての意識の高い方が多いので、その辺は気を付けながら空家開発を続けていきたいと思っています。

間宮 そこにもう一つ付け加えると、僕の家の周りも小規模な民宿があって、僕も3年前に町内の班長をやってましてね。やはり今は〝騒音問題〟と、もう一つ〝ゴミ問題〟ですね。

僕はそれをすごく心配して、スタッフに聞いたところ、とにかく今は、お客様が帰ったらすぐに自分たちで、鎌倉のルールでゴミを処理するんだって聞いてね、泊まった人に責任を押し付けていないのが、すごく良いなと思ったんですね。それも丁寧にっていう大川さんの話にあったように、騒音とゴミ、そういうのをしっかりやれてんじゃないかなと思います。

近隣の市や県との連携は。

大川 あと市長にぜひお聞きしたいのが今回、菅政権になって、地方創生や東京の一極化回避に触れていますが、私は鎌倉で仕事をさせて頂き、特に富永さんとのご縁を頂いたのも農水省の助成事業の「鎌倉農泊協議会」で、鎌倉の空家対策をするようになったことを考えると、東京で普段は仕事をしているんですけども、どうやって近隣の県といかにうまくやっていくかを考えます。

実は「浅草」でも宿を運営することになって、あと「東北三社」を絡めてジャパンブランドという助成事業をさせていただくことになりました。

日本のブランド力をどうやって高めていくかを考えているんですけども、特に神奈川県でも有数の観光都市の市長をされている松尾市長に、近隣の市や県、特に東京ですとか藤沢市とかに対してどういった市でありたいですとか、お付き合いの仕方を考えていらっしゃるかをお聞きしたいのですが。

松尾 基本的に観光客の方、地域を楽しもうと考えている方に「市境」や「県境」は関係ないと考えます。そういう意味ではお隣の藤沢市や横浜市とは日ごろから観光の面などでも連携をさせていただいております。

そこの関係性というのは非常に重要なところです。ただ、具体的に計画案が出来ているかというと、これもなかなか難しさがありますね。まさに菅総理も説明していますが、〝行政の縦割りを排除〟〝地域一体〟となった戦略を具体的に打ち出していくことの重要性っていうのは日々感じています。この視野をベースに、その辺を今後戦略化できればなと思います。

鎌倉の農産物、水産物

大川 実は鎌倉農泊協議会は農水省から結構な助成金をいただいて事業をやっているのですけども、農水省としては鎌倉の第一次生産者の為に良かれという活動をしなさいという命題を頂いております。海外の方にも来て頂いて飲食をしていただくというのが必要なんですけれども、気になるところはオリンピックですよね。実際その海外の方に来ていただいて、鎌倉市はフランスのホストタウンになっていますね。この内容について教えていただいてもよろしいですか。

松尾 鎌倉は長くフランスのニース市と姉妹都市提携をしておりまして、フランスのセーリングのチームを応援しています。姉妹都市協定から50年余り経過をしているものですから、その間に培った関係性をこういう時に花開かせて、様々な交流事業を行いながら、オリンピックでは自国の選手だけではなく、世界中の選手を応援していく機会にしていきたいと。実はコロナにならなければ選手交流とかたくさん準備していたのでけども、なかなかできないかもしれませんが、オンライン等も含めてやっていければと思っています。

大川 実は最初に宿をやったときもセーリングのメダリストが来ていただいて、海に入るのが好きなんで、富永さんがボードの修理とかお手伝いをして民間ベースでもいろんな交流の仕方がありましたね。その方々が来た時に、富永さんに「忠男、いいレストランは無いか?」とオファーをもらっていたので、もしよければ市長、鎌倉の美味しいものを教えていただけませんか?

松尾 特定のレストランといったとこでは差支えがあるかもしれませんが、実は鎌倉では、食は少し弱い部分でもあるんです。鎌倉のお土産で皆様パッと浮かぶのは、有名な鳩サブレくらいしかないかもしれないですね。鳩サブレは素晴らしんですけれども。

実は鎌倉では、漁業も若い人たちがどんどん入ってきていまして、シラス漁ですとかタコとかサザエですとか、どんどん獲れるようになっているんですね。農業についても鎌倉ブランド野菜というものが浸透してきました。

農業というと日本全国で高齢化が目立つのですが、鎌倉は若い人達が農業に携わって元気にやっていて、特にその地産地消じゃないですけども、鎌倉でとれた魚や野菜を鎌倉のレストランや各家庭で食べる。ここに力を入れて行政としてはやっておりますので、鎌倉のレストラン、それぞれ鎌倉野菜や鎌倉でとれた魚を積極的に使っているお店たくさんございます。ぜひ楽しみにしていただきたいと思っています。

旅の体験とは

大川 鎌倉農泊協議会は体験農園も山森さんという方が関谷で山森農園をやっているのですが、そことマイファームさんと提携して体験農園をやりっております。山森さんとご縁を繋いでくれましたのは、オランジュという黒木さんのレストランが繋いでくださって、それで山森さんと仲良くなり、今回のような体験農園になったりしました。

あと海産物については、腰越漁港の方と釣り船に乗った動画も撮ったりしましたし、今期は片瀬漁港に鎌倉農泊協議会に参加していただき一緒にコラボレーションで連携していこうとしています。相模湾で獲れる美味しい魚を、鎌倉に泊まっていただいて皆様に食べていただければ、我々農泊協議会としても役割が全うできますので、そういうプロモーションをしていこうと思います。

間宮 「鎌倉野菜」っていうのはしっかりとしたブランドになりましたね。東京の多くのイタリアンの店は鎌倉野菜を取り扱ってくれますし、実は長谷の漁港の「鎌倉エビ」っていうのを知らなかったんですが、見るとどう見ても「伊勢エビ」なんですね。「いや鎌倉エビですよ」と。そういうのもこれからね、ここに泊まっていただくお客様に、どんどん推奨していきたいですね。

僕がびっくりしたのは、昨年はまだインバウンド時代で、観光客が落とすお金が3500円という話がありましたが、街で爆買いをしてくれる、お土産をどっと買ってくれるようなお客様が増えましたね。それはこちらのインフラ的な改善ではなく、他動的なものでお金が落ちたっていうのですね。

昨年の我々の6つの宿泊所は、聞いてびっくりしたのが、インバウンド時代でありながら、7割が東京からのお客様なんですね。そうすると外国からの方に訴える戦略と、東京から来て一泊していく方へのブランド紹介とかに細かな戦略っていうのが出来るんじゃないかなって。何しろ7割が東京からの泊まってくれる人って聞いたときはびっくりしたんですね。

大川 日本人はみんな鎌倉が好きだっていう結論になるかもしれませんよね。

東京の人が来たいなと思う、そしてやっぱり日帰りでお金を落とさないっていうのは、よろしくないところだとは思います。そしてまたインバウンドの方も食べ歩きのマナーということになってしまいますと、やはりいかにして鎌倉をリスペクトしてもらうか。鎌倉をリスペクトというより、鎌倉での普段の生活スタイルをリスペクトして、共有し発信するのが大事かなと思います。

SDGS的未来都市とは。

大川 そして市長、後ろにSDGS未来都市認定書がありますね。持続可能な開発目標が上手く共存できていないと持続可能な開発と言えないんじゃないかなと思うんですけども、このSDGSの開発目標を達成される都市に認定される取り組みについてお話をお聞きしてもよろしいですか。

松尾 こちらは鎌倉としてはSDGSの17の目標を達成するということで、手を挙げて認定していただいたのですが、鎌倉の地はですね、元々源頼朝公が幕府を開いた時から共生社会というのをしっかりと根付かせてきた街だと思っております。

自然との共生というのもそうなんですけれども、〝怨親平等〟みたいな日本人が持っていた敵も味方も分け隔てなく、戦いが終わればノーサイドというとあれですが、そういったものを発信してきた文化ですとか、よそ者とかっていう話もありますけど、決して差別をしない、みんな仲間じゃないかっていう想いっていう部分を鎌倉から発信していくのが、私たちが世界に貢献できる部分ではないかなと思っております。

といったところで、このSDGSの取り組みに絡めながら鎌倉の一つ一つの取り組みを実現していきたいなと思っております。

持続可能な観光とは。

大川 ありがとうございます。実はわたくし共のジャパンブランドという事業に採択していただいたのはですね、SDGS型農泊というものでして、農泊というのは農水に登録しているのですが、何故か経産省の方も助成事業にしていただいて、まさしく持続可能な観光ですとか農業と観光という、日本はこれからこの2軸がすごく大切になってくると思いますので、ぜひ鎌倉ブランド、ジャパンブランドではなく市長が思う鎌倉ブランドをまとめてお話しいただけるとありがたいです。

松尾 いろいろな切り口はあると思っております、まず山があり海があり、お寺や神社といったところでの大変恵まれた土地だとは思っているんですけれども、そういう中で繰り返しですが鎌倉がこれから世界に貢献できる部分っていうのはどういうところなんだろうかと思うと、やっぱり鎌倉時代から脈々と続いている武士道の精神ですとか、禅といったいわゆる東洋に根差した文化、文明みたいなところが軸になってくると思っているんです。

そういうところを鎌倉が体現していくことが非常に重要なんだろうなと思っておりまして、鎌倉に触れる方たちが日本の文化に触れる中で、いろいろな気づきですとか、新しい発見とか、幸せな生き方をつかんでいただく、そういう鎌倉に来たらなんか幸せになって帰れる街みたいなの事を目指して行ければと思っています。

間宮 先ほど外国人より7割が東京と言ったのですが、やはり京都、奈良、鎌倉と同じようなカテゴリーで見られるんだけど、京都や奈良に行くと「泊まらないといけないね」っていう話が出る訳です。で、「鎌倉は日帰りでも何回も行けるよね」っていうところが今まで。

そして今、市長がおっしゃった中で、鎌倉に泊まっていろいろな体験をしていくという。

僕は航空会社の広告の仕事なんかもしていたのですが、そこへ行く目的が温泉へ行くとか綺麗な景色を見に行くではなくて、〝暮らすように泊まる〟〝暮らすように旅する〟

そういう感覚で訴えていくといろんなインフラが、この協議会をベースにしてでもすごく見つかるんじゃないかなと思って、これをこの先どう組み立ててコミュニケーションをしていくか、考え始めているんです。やっぱり、ただ行って帰るだけじゃなくて、暮らす感覚。それがサーフィンでもいいと思うんですが、そういう感覚を打ち出していくのが大事なんじゃないかなと思います。これからどんどん大川さんと議論を深めないといけないですけど。

テレワークやワーケーションについて

大川 実は農水省の方から、今回弊社の宿にワーケーションで泊っている方が居たので、その情報収集をさせてくれと。まあコロナでだいぶ空いていた期間があったんですけども、海外へ行っているご主人が家族の方をそこに住まわせるとか、一カ月まるまるワーケーションとして住みたいですとか、今結構2拠点生活というライフスタイルが流行ってきていて、せっかくなんで鎌倉に居る間に、僕がお勧めなのはコト消費の中では人力車。鎌倉の街を人力車で練り歩くと、車夫さんが写真を撮ってくれたりして、いい思い出になるなと思ったのですが、市長としてはワーケーションとかテレワークでこういう人達が来るとか、2拠点生活とか、鎌倉市の姿勢としてはどういうお考えで、このライフスタイルを考えていますでしょうか。

松尾 鎌倉市としては2年前に「テレワークライフスタイル研究会」というのを民間企業さんで立ち上げて、テレワークを進めていこうと。当時はなかなか進まない部分もあったのですが、今回のコロナの影響でその辺り鎌倉もぐっと進んでいる部分がございますので、その必要性に応えられるように鎌倉市としても、もっと広げていきたいと思っています。

大川 今日は市長にお名刺を頂いたのですが「ようこそ鎌倉」って書いてありまして、排他的って言ったの謝ります、色んな人ウェルカムと市長は思っていらっしゃるようなので、中を開けると英語で鎌倉のことを書いてありますね。また、今日のインタビューからもわかる通り、市長は非常にフレンドリーで、山岳部出身で建長寺の裏ですごいトレーニングをされているそうですね(笑)。

温故知新、非常に鎌倉にふさわしいお言葉もいただいて、こういう歴史を知っていただきたいという鎌倉市長の情熱も理解できましたので、非常に良い対談だったなと思います。

松尾市長、どうもありがとうございました。

せっかくなので最後に一言締めていただければと。

松尾 ありがとうございます。今、いろいろとお話を頂く中で、体験という部分が非常に大事だと改めて感じました。座禅もそうなんですけど、茶道にしても華道にしても、鎌倉にしばらく住んでいただいて、それを体験して持ち帰っていただけたらという事ですね。

ぜひ鎌倉の中で、そういうところが、うまく展開していければ、より鎌倉らしい、また鎌倉に行きたいと思っていただける街を、作って行けるのかなと思います。

いろんな面でこれからも連携していただければと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

松尾市長、今日はご多忙な政務の中、われわれ「鎌倉農泊協議会」に、お時間をとって戴き、深く感謝を申し上げます。(スタッフ一同)

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