【インタビュー】株式会社Brain Trust from the Sun 代表取締役 大川桂一

“農泊”をスローガンに、鎌倉の文化を世界に発信していこう」

絵に描いたような陽気なおっちゃん、富永と出会う。

鎌倉農泊協議会の中核法人、株式会社Brain Trust from The Sun (以下BTS)の代表取締役を務める大川。BTSがインキュベーションオフィスを始め、高齢者が就職できる場所を提供するモデル事業として東京都の高齢者職域開拓事業に採択された頃、現在、鎌倉農泊協議会会長を務める富永と出会う。

「富永さんの先輩が弊社に就職し、その方が『鎌倉に遊びの天才がいるんだよ、大川さん。サーフボードを削る仕事をしていて、サーフトリップでニューカレドニアに住んでいた経験も長く、旅のアテンドにもすごく慣れているんだ』と。ビジネスの相談をしたいと、その方が連れてきたのが富永さんでした。当時すでに60歳を超えていましたが、若々しくて責任感もありそうで、絵に描いたような陽気なおっちゃんという感じで、ぜひ一緒にやりましょうという話になりました」と大川。長期の空室物件を借り、やるからには中途半端ではなく、板と同様に富永の作品になるような宿泊施設をつくろうというのが始まりだった。

BTSは、小規模不動産特定共同事業として国交省のモデル事業になっている。長期空室物件や空き家の問題を再生するため、国は不動産特定共同事業を規制緩和し、小規模不動産特定事業としてBTSのような民間の不動産デベロッパーに委ね、出資者を募って古民家や空き家を再生できるというものだ。これにより「我々がやっているような取り組みを行う不動産会社も増え、空き家問題も解消されていくのではないか」と大川は語る。

一次生産者の所得向上につなげることが我々のミッション。

鎌倉農泊協議会は、農業体験や漁業体験などの旅行ツーリズムを作っていくことが目的だが、農林水産省からは一次生産者の所得向上になる取り組みを期待されている。
「我々が開発した鎌倉の施設にインバウンドの方が宿泊され、近隣の飲食店に行き、食事をされる。その料理に使う食材は、しらすであれば腰越漁港、鎌倉野菜だったら鎌倉周辺の農家さんから仕入れています。我々の使命は鎌倉の良さをPRして、インバウンドの方にできるだけ鎌倉に宿泊して頂いて鎌倉の美味しいもの食べてもらって一次生産者の所得向上に繋げること。これが大きな目的になります」

そのために現在、取り組んでいることは仲間づくり。
「幸い富永さんの持つT-REEF Surfboardの仲間のリアルショットさんが撮影してくれたり、スマイルガーデンさんがリノベーションしてくれたり、農泊協議会を立ち上げる際にも、富永さんの奥様が働くレストランオランジュのオーナー黒木さんがたまたま鎌倉商工会議所青年部の会長さんで、取り組みに協力してくださり、あれよあれよという間に鎌倉農泊協議会が立ち上がりました。仲間の方の支えがあってやれている事業です。富永さんがお客様に『Welcome to 鎌倉』と言うように、『鎌倉農泊協議会にようこそ』と、鎌倉の方にも、空き家対策を考えている不動産屋さんにも、地元を活性化したい人にもどんどん仲間になっていただいてこの動きを活発化したいと考えています」

BTSの基幹施設に古民家をリノベーションした琥珀は、一度壊して昔の状態に戻す作業が伴うため大きなコストがかかる。宿泊事業は運営費もかかるため、コストを圧縮する方法を探していた大川は、農林水産省の農山漁村振興交付金を見つけた。一次生産者の所得の向上なれば、古民家の改装資金も認められる。琥珀はすでに再生を済ませていたため、採択事業として得た助成金は鎌倉農泊協議会や鎌倉をPRするための動画作成などの制作費に活用している。

“農泊”は2020年以降もリピートしてもらうためのをスローガン。

鎌倉農泊協議会には、宿泊施設のPRや SNSの更新、清掃を行っている研修生が現在5名いる。研修生は鎌倉やその周辺に暮らす主婦やママがほとんど。鎌倉での暮らしを通して施設への意見を言ってくれる人材、鎌倉に根ざした子育てや生活をしながら鎌倉の PRができる人材、鎌倉での生活を世界に発信できる人材が参画している。

 鎌倉農泊協議会は、鎌倉市に農場もなければ農業を行なっているわけでもない。“農泊”とは、鎌倉の農産物、海産物を食し、鎌倉に宿泊することを世界中の一人でも多くの人に体験してもらい、2020年度以降もリピートしてもらうスローガンのようなもの。

オリンピック後の都市の不景気の話題もあるが、不動産業界を知る大川は鎌倉についてはさほど心配していないと言う。

「東京のマンションは打撃を受ける可能性はありますが、こと鎌倉に関しては、教育水準も高く、山も海もあり風光明媚で、ブランド力がある。鎌倉で行う競技はヨットだけだし、オリンピックが終わったからと言って急激に鎌倉のブランドが低下することはないと思っています。2020年以降も来ていただくために鎌倉農泊協議会がありますので、今のうちに人力車しかり、鎌倉野菜しかり、しらすや腰越漁港しかり、PR活動をしっかり行っていきたいと思っています」

鎌倉の街の一部を作っているという使命感を持って突き進む。

鎌倉にはエッジの効いた企業が多く、個性豊かなカルチャー、コンテンツが凝縮している。そういう魅力的な街を日本中に再現させていくことが鎌倉農泊協議会の長期的な目的だ。鎌倉と同じものを別の街で作るのではなく、鎌倉農泊協議会の活動が拡散され、それにインスパイアされた人たちが“自分たちの街の魅力を活かしてやってみよう”というきっかけを作りたいと考えている。

「農泊の助成金を得る方法や小規模不動産特定共同事業を使った空き家再生の方法について問い合わせていただいたり、富永会長をはじめ、映像のプロのリアルショットさん、リノベーションや造園のプロのスマイルガーデンさんなどに相談が集まってきたり、中長期的にそういう動きになったらいいなと」

大川が大まかな設計図に描いた小さな点と線をもとに鎌倉農泊協議会のメンバーたちが基礎を築き、柱を立て、壁や屋根を作り、家を建てるように形にしていく作業が急ピッチに進み始めている。

最後に大川からの鎌倉の方々へのメッセージ。
「鎌倉という街を作るというと偉そうですが、鎌倉の街の一部を我々が作っているのは事実だと思います。閉鎖的とも言われている鎌倉のコミュニティに暖かく迎えていただいた鎌倉農泊協議会。今後も暖かく見守っていただきつつ、一人でも多くの方に仲間として参画いただけるとありがたいです」

鎌倉農泊協議会への参画に関する質問なども随時受け付けている。お気軽にお問い合わせいただきたい。

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