【鎌倉ピックアップインタビュー】Blue Lagoonオーナー 坂巻力さん

Blue Lagoonオーナー 坂巻 力さん

国内外の多く人に利用してもらえる、“躍動的”な宿泊業にトライ。

ただ賃貸で貸すよりも、色々な人に泊まってもらいたい。

坂巻力氏は、T-REEF Vacation Houseの宿泊施設の1つであるBlue Lagoonの賃貸オーナーで、16歳から50年以上、鎌倉にお住まいだ。

「たまたまその家が空き家になったので、何か活用できないかなぁと考えていたんです。富永さんと顔見知りだったので相談すれば前へ進めるかなぁと思って」と、T-REEF Vacation Houseに物件を提供したきっかけを話す坂巻氏。賃貸物件を簡易宿泊施設として使うことに対して、特に不安や心配はなかったという。たとえ周りから何か言われても、それは仕方のないことと、とてもポジティブ思考。

「宿泊業は、ただそのまま賃貸で貸すよりも、いろいろな人、いろいろな国からの観光客が利用するという意味でも躍動的だと思っています」

Blue Lagoonができた時の感想は「やりたい放題やってるな」。

Blue Lagoonの印象については、「素晴らしいものができて、前に進んでいるなぁとそういうふうに思っています」と坂巻氏。貸していた家がガラリと変わっていく様子を見て、「やりたい放題やってるなぁ(笑)と思った」と正直な感想を笑いながら話す。一般的な賃貸物件として使っていたため、それもやむを得なかったとはいえ、大々的なリノベーションに、びっくりしたそうだ。

簡易宿泊業は日本ではまだ始まったばかりの新しいビジネス。一時期、無届の違法民泊の問題がさまざまな場所で取りあげられたこともあり、近隣の方々への理解を得るためのオーナーの気遣いも重要なことだ。

「ちょっと道に迷った人に覗かれたとか、スーツケースのガラガラがうるさいとか、やはりそういうマイナスの事が比較的に多いです。それでもきちっと周りに挨拶をして説明をすれば、それで納得されると思っています。今のところ、特に大きなトラブルはないですね」

これまでの積み重ねによって近隣との良い関係が築けている証拠かもしれない。

先代が建てた家を宿泊施設として転用し、自らホストに。

取材当日、話を伺った場所は、先代が建てた築75年の家の庭。現在、坂巻氏はこの家の裏に建てた新居で奥様と暮らしている。実は先代が建てたこの家も、簡易宿泊施設として転用し、自らがホストになることを決めた。これから間もなくリノベーションに着手する予定だ。

万全とは言えない日本の受け入れ態勢の中で、海外から利用されるお客様が満足して帰国されているのか心配だと話す坂巻氏。そこには自らが宿泊業を行うことで、少しでも海外からの観光客の満足につながればいいという思いが感じられる。坂巻氏が長年住み、親しんできた家がどんな宿泊施設として生まれ変わるのか、これからが楽しみだ。

利用されたお客様が、よい土産話を持って帰れる施設を目指したい。

「この2、3年で海外から日本に来る観光客は増えて、4年くらい前には1,000万人いってなかったのが、去年はもう4,000万人に近い3,850万人という数字をあげてるでしょ。でも鎌倉の中心的な観光施設、八幡宮とか大仏の受け入れ態勢は全然変わってないんだよね。1,000万人までいってない時と比較しても、海外から来る人の数は、3倍とか4倍になってると思うんですよ。でもその人たちの受け入れ施設についての対策がされていないわけ。上から目線で、勝手に来てるんだみたいな感じがしてならないんですよね」と外国人観光客に対する課題を熱く語る坂巻氏。市や県に率先して施設を増やすなどの受け入れ体制を整えて欲しいという思いが伺える。

「施設を利用された方がとにかく満足して自分のお家に帰るなり、自分の国に帰ってもらって、いいとこ利用したよっていう土産話をしてもらえる、そういうことができるような施設にしたいなと思いますね」

多くの旅行客に鎌倉を存分に満喫してもらうためには受け入れる側の準備もしっかり整えなければならない。坂巻氏の建設的な意見も大好きな鎌倉を思うがゆえなのだ。懐の大きさと愛情深く優しい人柄で、多くの宿泊客に愛されるホストになるのではないだろうか。

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