天照山 蓮華院 光明寺。浄土宗の大本山です。
西暦1243年鎌倉幕府四代執権・北条経時公が浄土宗の高僧として名高い然阿良忠を開山に迎え開かれたといわれています。
その後第五代執権北条時頼歴代の庇護を受け、七堂伽藍を整えた大寺院と発展していきました。
室町時代には後土御門天皇より関東における念仏修行の道場として「関東総本山」の称号を受け、国と国民の平和を祈る天皇が指定した祈願所「勅願所」に指定されます。
さらに江戸時代には徳川家康公によって関東十八檀林(徳川幕府の定めた学問所)の筆頭とされ日本全国から学僧が集い、念仏信仰と仏教研鑽の根本道場となりました。
そんな歴史ある大寺院でありながら、民衆に寄り添った教えを説く浄土宗らしい解放感のある開かれたお寺です。
【見どころ①】鎌倉最大規模を誇る本堂「大殿」
現存する億増の古建築では鎌倉一の大きさで、国指定の重要文化財に選ばれています。
1698年に建立され、入母屋造りで銅葺屋根の外観は簡素な印象がありますが、内部はとてもきらびやかで本尊の阿弥陀三尊のほか諸仏が奉られています。
百本柱のお堂としても有名です。
※現在10年計画の保存修理工事中のため残念ながら本堂の中に入ることはできません。(2030年まで)
【見どころ②】タイミングによっては楼上に上がれる!鎌倉最大級 高さ20mの山門
五間三戸二階二十門といわれる門で、高さ20m、間口16m、奥行き約7m。1階は和風、2階は中国風に作られています。掲げられている「天照山」の額は1436年に後花園天皇から賜ったものです。
二階には釈迦三尊・四天王・十六羅漢が祀られています。普段は楼上に上がることはできませんが、年に数回特別公開されることがあり、階上からは由比ガ浜を挟んで稲村ケ崎、遠く富士山を臨む素晴らしい眺望が広がります。
特に桜の季節に開かれる「観桜会」の特別公開では、眼下に満開の桜と本堂を見渡すことができます。
【見どころ③】二つの庭園…蓮池のある「記主庭園」と枯山水「三尊五祖の石庭」
光明寺には本堂を挟んでふたつの庭園があります。
蓮の名所と知られる記主庭園は、江戸時代の茶人で庭師の小堀遠州作といわれている浄土式庭園。庭園の奥に聳える大聖閣は宗祖法然上人800年大御入忌を期して建立されました。
2階には金色の阿弥陀三尊像が祀られていて、回廊からそのご尊顔を拝することが出来ます。
蓮の見ごろの7月に開催される「観蓮会」では、大聖閣の一階でお茶席が開かれ、まさに極楽浄土の景色を見ながらお抹茶をいただくことができます。
本堂の南側には三尊五祖の石庭があります。
白い砂の上に置かれた石で三尊(阿弥陀仏、観音菩薩、勢至菩薩) 五祖(お釈迦様、善導大師、法然上人、鎮西上人、良忠上人)を表現しています。
そしてこの庭園全体でこの世(此岸)とあの世(彼岸)の世界観が示されています。
【見どころ④】重さ1tを超える鐘楼
847年に建造された鐘楼堂は、総ケヤキ造りで瓦の瓦葺の立派な建物。
現在の梵鐘は、昭和36年に法然上人750年遠忌にあたり鋳造されたもので、重量は三百貫(およそ1125kg)あり、鎌倉では円覚寺、建長寺に次ぐ大きさなのだそうです。
【見どころ⑤】迫りくるシンゴジラを思い浮かべて…
光明寺の裏山には由比ガ浜や稲村ケ崎を臨む展望エリアがあります。晴れていれば美しい富士山も。
かながわ形象50選にも選ばれています。
実はここ、映画『シンゴジラ』でシンゴジラが由比ガ浜に上陸するシーンが撮影された場所なんです。
訪れる前にそのシーンをチェックしてみてくださいね。