皆さん、こんにちは! 鎌倉農泊協議会で研修生です!

はじめて鎌倉の土を踏み、農家さんの温かさに触れたあの日から、カレンダーをめくるのが惜しいほど濃密な時間が過ぎていきました。いよいよ私の研修も、最後の大イベント「収穫祭&交流会」を残すのみ。
朝、お世話になった古民家の雨戸を開けると、谷戸(やと)を吹き抜ける風が少しだけ秋の気配を含んでいるように感じました。「明日からはもう、この鳥の声や土の匂いで目覚めることはないんだな……」と思うと、不意に鼻の奥がツンとして、胸がギュッと締め付けられるような寂しさが込み上げてきました。
でも、立ち止まっている暇はありません!今日は農泊体験の集大成。みんなが笑顔で「またね」と言える、最高のフィナーレにするための準備が待っています!
1. 活気あふれる「青空キッチン」!泥付きの野菜がご馳走に変わるまで
会場となるのは、農家さんの家の広いお庭。そこに即席の「青空キッチン」が出現しました。 今日の主役は、もちろん私たちがこの数日間、泥だらけになって収穫してきた「鎌倉野菜」たちです!
「さあ、みんな!今日は自分たちが一番の客だよ。腕を振るって美味しいもの作ろう!」 農家のお母さんの威勢のいい掛け声で、一斉に調理がスタートしました。参加者も、研修生の私たちも、スタッフも、もう立場なんて関係ありません。みんなでエプロンを締め、野菜を洗い、刻みます。
普段は包丁をあまり持たないという男性参加者が、農家さんに教わりながら真剣な表情でネギを刻んでいたり、子供たちが泥だらけになりながらジャガイモを洗っていたり。 キッチンには、野菜を刻む「トントン」という軽快な音、炭火がパチパチと爆ぜる音、そして「それ、美味しそう!」という弾んだ笑い声が響き渡ります。
「この野菜、さっき畑で採ったばかりなのに、もうこんなに良い香りがする!」 そんな小さな発見のひとつひとつが、最高のスパイスになっていきます。
2. 乾杯!大地の恵みを「五感」で味わう奇跡の瞬間
1時間もすると、長テーブルの上には、息を呑むほど色鮮やかな料理たちがズラリと並びました。 採れたて野菜の天ぷら、大鍋でコトコト煮込んだ具沢山のけんちん汁、炭火で香ばしく焼いた野菜のグリル。どれもこれも、素材そのものの色が輝いていて、立ち上る湯気までが美味しそう。
「それじゃあ……鎌倉の豊かな大地と、素晴らしい出会いに感謝して、カンパーイ!!」
青空の下、みんなで一斉にグラスを掲げます。 一口食べた瞬間、あちこちから「……うまっ!」「何これ、甘い!」と驚きの声が漏れました。 私が箸を伸ばしたナスの揚げ浸しは、お出汁をたっぷり吸っているのに、噛むと中からナスの瑞々しい甘みがジュワッと溢れ出し、まるで飲み物のように喉を通っていきました。
「自分たちで採って、自分たちで運んで、みんなで作った」 その過程すべてが味に含まれているから、どんな高級レストランで食べる料理よりも、深く、温かく、体に染み渡っていくのです。
3. 「また帰っておいで」——ここは私の、第二の故郷
宴が深まるにつれ、会話はさらに深いところへと進んでいきます。 「都会にいると、つい効率ばかり考えて焦っちゃうけど、ここでは時間の流れが違うんですね」 「土に触れていたら、自分も自然の一部なんだなって、なんだかホッとしました」
そんな参加者の言葉に、農家さんは静かに頷きながら、こう答えてくれました。 「人間だって、野菜と同じだよ。日差しが必要な時もあれば、雨に打たれる時もある。疲れたら、いつでもこの谷戸に戻っておいで。土はいつでも、黙って待ってるからさ」
その言葉を聞いた瞬間、私の目から思わず涙がこぼれそうになりました。 研修生として来たはずの私自身が、一番この場所に救われ、癒されていたことに気づかされたからです。ここは単なる「宿泊場所」ではなく、私たちがいつでも素顔の自分に戻れる「心のふるさと」なんだ……と。
日が傾き、お別れの時。 バスに乗り込む皆さんの表情は、来た時よりもずっと晴れやかで、力強いエネルギーに満ちていました。 「また来るね!」「次は春の野菜を収穫しに来るよ!」 大きく手を振る皆さんの姿が見えなくなるまで、私たちはいつまでも手を振り続けました。
まとめ:鎌倉の土から始まった、新しい私
この数日間で、私の手はすっかり日焼けして、爪の間には消えない土の色が残りました。 でも、鏡に映る自分の顔は、研修前よりもずっといい表情をしている気がします。
農泊体験が教えてくれたのは、美味しい野菜の育て方だけではありません。 「いただく」ことの尊さ、人と人が心を通わせることの温かさ、そして、自然と共に生きるという心地よさ。 鎌倉の土から芽生えたこの小さな感動を、私は一生忘れません。
私の研修日誌はここで一旦お休みですが、鎌倉の農泊物語はこれからもずっと続いていきます。 次は、皆さんがこの物語の主人公になる番です。 ぜひ、鎌倉の奥深い魅力に、そして温かい人々に会いに来てくださいね!
今まで読んでくださって、本当にありがとうございました!
【次回予告:新シリーズ開始!?研修生〇〇が見つけた「鎌倉・四季の隠れ家巡り」】
さて、私の農泊レポートはこれで完結ですが……実は、鎌倉にはまだまだお伝えしきれていない魅力がいっぱいあるんです! 次回からは番外編として、地元の人だけが知る四季折々の絶景スポットや、農家さん直伝の「季節の手仕事」などをゆる〜くお届けする新シリーズを準備中。
鎌倉の旅は、まだまだ終わりません。どうぞ、お楽しみに!

