店舗情報
名称 | 川古江家(カワゴエヤ) |
ジャンル | 和食処 |
住所 | 〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町1-6-19 アラビルB1 Google マップ ≫ |
営業時間 | 11:00~22:00 (食べ物ラストオーダー 21:00) |
電話番号 | 0467-24-2580 |
公式サイト | https://www.kawagoeya.jp/ |
店舗紹介
明治20年創業 鎌倉名物とお蕎麦を愉しむ和食処
召し上がっていただけるのは、鎌倉が誇る数々の名物や自慢のお蕎麦。網元から直送される“しらす”など、鮮度抜群の海鮮ものをはじめ、旬の味わいを取り入れた川古江家ならではの美味しさをお届けしています。どうぞ神奈川が誇る地酒と共に召し上がってみてください。地のもの同士が生み出す至極の高め合いを感じていただけるはずです。
おそらく鎌倉で一番古いお店、川古江家の社長は笑顔の似合う47歳。
鎌倉駅の東口から徒歩1分以内で暖簾を掲げる「川古江家(かわごえや)」は、鎌倉観光の際に相応しい逸品を取り揃えた和食処です。
明治20年(1887年)創業の老舗として、時代の移り変わりとともに鎌倉の地で商いを続けています。135年の長きにわたって、お客様に愛され続けてきました。
初代のオーナーは小江戸と言われる川越の出身で、鎌倉駅前の立地に、地下に厨房を備えた三階建ての割烹旅館を創業しました。当時は政治家達が集まり芸者を交えて宴会に使っていたと聞いています。今の小町通りには幾多の置き家がありました。後に芸者を卒業すると、近所でスナックなどの店を開いたそうです。三代目店主、四代目店主は、お店の重鎮として長く仕えていました。いつの代にか割烹旅館の近くに「川古江家」「川茂」と言うお店も構えました。
今回は五代目のオーナーである橋本高広さんにお話を伺いました。
橋本さんは以前から繁忙期にアルバイトとして、お店でお手伝いをしていました。スタッフが入れ替わり立ち替わり変わるよりも、安心して働ける組織を目指して会社を起業しました。2010年に橋本さんは社長として「川古江家」をスタートさせたのです。
橋本さんは鎌倉生まれの鎌倉育ち。小学校から高校まで、全て地元の学校でした。地元のイベントで、障害者の方と接する機会があり、それをきっかけに専門学校で介護を学び、鎌倉で6年勤務した後、箱根で入居者が200名以上の施設で長い間勤務していました。国を相手に助成金を受給する仕事や、障害者のノーマライゼーション(社会復帰)を目指す活動、つまり社会的に立場が弱い人たちの生活を通常の社会活動へ、誰もが自分らしい生き方を目指せるような活動をしていました。知的障害者、身体障害者、精神障害者とある中で、橋本さんは知的障害者の担当でした。
おもてなしの心でサービスを提供しています。
そんな橋本さんを囲んで正規社員は6名まで増え、数名のアルバイトさんたちと一緒に働いています。スタッフは地元の方ばかりで、観光でいらしたお客様にはガイドブックに出ていないような穴場情報をご紹介するなど、お店は真心込めたおもてなしの雰囲気に溢れています。
中でも30年近く働いている名物スタッフのきよこさん。いつもニコニコとお店の中でサービスを続けています。七五三でお参りに来た子供時代の女性がお母さんになって娘の七五三でお店に現れ、「あらぁ、まだ元気にお店でお会いできるなんて」という話もあるくらい。
川古江家はお昼休みのないお店で3時から4時の時間帯でも予約が取れるので、周辺を観光し終わったタイミングで寄れるのが有難いですね。これが居酒屋だとお店は準備中で5時まで開いておらず、何処かで時間を潰す事になってしまします。
こんな話があります。橋本さんの誕生日は3月11日。東日本大地震があった日と同じです。あの日は、地震が発生した時間には地下のお店にお客様がいらっしゃいました。そして、いきなりの停電。夕方には駅前ロータリーにたくさんの帰宅困難者が途方に暮れていました。
そこで、お店でワンコインの暖かいお蕎麦を提供したのです。季節としてはまだ肌寒いころです。ありがたい心遣いだったに違いありません。夜になって鎌倉市は「鎌倉武道館」を宿泊所として準備しました。橋本さんは鎌倉から武道館まで約5kmの道のりを1時間ほど歩いて道案内したとのこと。こんな心遣いも、施設で学んだことが役立ったのでしょう。
姉妹店の「川茂 川古江家別亭」をオープンしました。
5年前には、小町通りに面した姉妹店の「川茂 川古江家別亭」をオープンしました。
より親しみやすく和食が味わえるお店になっていて、店内は広々とした空間で座席数は40席あります。参拝帰りの海外のお客様やツーリストを通じて団体客にも対応していて、修学旅行生には駅前の本店と連携してご案内しているそうです。
鎌倉には老舗と言われるお店が多く、「峰本(大正14年創業)」「御代川(昭和20年創業)」「鉢の木(昭和39年創業)」となっています。そういった中で明治20年創業の「川古江家」は、135年間の営業で一番古い店と言えそうです。
最後に、橋本さんに今後の抱負を伺いました。
橋本さんは会社の理念として「食を通じて共生社会の実現を目指す」という言葉を掲げています。ご自身が経験した社会福祉の管理職という立場から、ノーマライゼーション、つまり『障害者や高齢者が他の人と平等に生きるために、社会基盤や福祉の充実などを整備していく考え方や取り組み』の実現の難しさを感じていました。11年前に起業した時、福祉職員の時にはできなかった、障害者の雇用を「送る立場」ではなく「受け入れる立場」の実現を目標にすると誓ったのです。
いつの日か障害者を雇用し、共に生きる社会を実現したい。「生まれ育った鎌倉に障害者雇用を進めることで、地域貢献の一助になれたら」と語ってくれました。「そのためには明治から続く、この暖簾を絶やさないように精進したい」と。おそらく、鎌倉で一番長いお店の歴史の重たさを、笑顔と共に爽やかに語ってくださいました。
周辺の観光地紹介
昭和時代の小町通り
伝統的なお土産物屋からファッショングッズ、若者にも人気の立ち食いや喫茶が並んでいます。
鎌倉の問題点は観光客の集中化。いわゆるオーバーツーリズム問題です。その点で鎌倉市は分散観光を模索しています。
現在の小町通りは、古くは「瀬戸耕地」と呼ばれた農道で、JR横須賀線鎌倉駅が開業すると市街化が進んみました。鎌倉時代には若宮大路の東側の小町大路(辻説法通り)が流行っていたとされています。近代になり、駅前のお店が関東大震災で被災し、今の小町通りに移転しました。
今は東京資本や海外(中国)資本が進出して、街の様子が大きく変わっています。今では電線地中化工事が行われて、空が大きくなりました。流石にコロナ禍は従来の観光客は激減しました。
所在地:JR鎌倉駅の東口から、鶴岡八幡宮までの段葛(だんかずら)と平行に走る通り
鎌倉駅東口から徒歩3分。若宮大路に面しています。安産祈願で有名なお寺で、安産を願う女性たちが日本中からお札を受けにいらしています。境内に季節ごとに咲く多種の花々が訪れる方の目を楽しませてくれます。
所在地:神奈川県鎌倉市小町1-9-28
この一帯は鎌倉幕府の有力者、千葉常胤の子孫・胤貞の別邸跡と伝えられて、「千葉屋敷」とも呼ばれています。
鎌倉七福神巡りの一つで、寿老人が祀られています。
所在地:神奈川県鎌倉市小町2-17-20