西辻夫妻との対談 鎌倉農泊協議会 富永悦子
京都大学農学部在学中は大豆の研究をされていた西辻さんは「農業の世界観を変えたい!」と13年前「自産自消」の理念を掲げ起業。そんな西辻さんが代表取締役を務めるマイファームが目指す、農を起点にした新しい社会づくりについてお話を伺いました。一方、国民の3人に1人がなんらかのアレルギー症状に悩み、幼児の10人に1人が食物アレルギーを持つと言われている現在、アレルギーナビゲーターとしてご活躍中の奥様のお話も興味深いものでした。
食の安全、安心に高い関心と知識を持つ奥様と「耕種」「畜産」「アグリビジネス」3つの農業のエキスパートである西辻さんとはお仕事で出会い、結婚に至ったそうですが、公私ともにベストパートナーとの印象を受けました。
西辻さんの農業学校を受講する方の中には自身が、またはお子さんが野菜アレルギーの親御さんも少なくないそうです。奥様のアドバイスが活かされているそうです。
面白い話、勉強になる話をたくさん聞かせていただいた中で強く印象に残っているのが、微生物をたくさん含んだ柔らかい土のことを「ゆりかご」と呼ぶことや、サラブレットは薬物検査が厳しく、糞に抗生物質などが含まれていないので安全で良質な肥料となること。AIが農業を担う時代!の話から夜間作業を行う「自動走行アスパラガス収穫ロボット」の実用化について。地球温暖化が日本の農業に与える影響や植物工場のメリット、デメリットについても。更には宇宙に存在する物質の総量は常に一定で…中学の理科で教わった⁈質量保存の法則まで話は及び…この辺になると、う〜む、難しい。
そして最後は、幸せの価値とは、次世代に何を継いでいくべきかの談義をし、お開きとなりました。
地元鎌倉で栽培されている「鎌倉野菜」の生産農家さんを訪ねたのをきっかけに農作物、農業に関心を抱いた私たち夫婦にとって、西辻ご夫妻から伺うお話は、農への興味をさらに喚起するものとなりました。
お二人の貴重なお話を参考に、鎌倉農泊協議会では「食」「農」「観光」を一体とした地域活性化を目指す農泊を推進していきたい、そのために私ができることは何なのかを改めて考える良い機会となりました。
追記
テーブルに並ぶ〝湘南豚のロースト〟を食しながら西辻さんから、豚の種類、生態について知識を得た後、話はガラリと変わり、まもなく誕生するお子さんの性別の話に。「安産祈願で有名な京都のわら神宮のお守りの中に入っている藁を見て生まれて来る子供の性別がオス….あっ‼」と言い放ったあと苦笑いする西辻さんに一同「今オスって言いました?」で爆笑。散々、豚や牛や鶏などの生き物についてレクチャーしていただいた後でしたから混同してしまったようです 笑(で、お子さんの性別は果たしてどちらなのでしょうか。)