古民家の夜は更けて。囲炉裏を囲んで聞いた「この土地の物語」

皆さん、こんばんは! 鎌倉農泊協議会で研修生です!

昼間は畑で泥んこになって、太陽の光をたっぷり浴びて。そんな賑やかな「動」の時間が過ぎ、夕暮れと共に谷戸(やと)が深い藍色に包まれていくと、鎌倉農泊のもう一つの主役、「静」の時間が始まります。

今日のブログでは、私が農泊体験の中で最も心が揺さぶられた、古民家での「夜の過ごし方」について、少し声を潜めて、ゆっくりとお話ししたいと思います。

1. 電気のスイッチではなく、「火」が中心にある夜

農家さんの手作り野菜をたっぷり使った、心もお腹も満たされる夕食を終えた後。 「さあ、こっちでお茶でも飲もうか」 そう呼ばれて向かったのは、古民家の中心にある「囲炉裏(いろり)」のまわりでした。

現代の生活では、夜といえば明るいLED照明が当たり前ですよね。でも、ここでは違います。部屋の明かりを少し落とし、囲炉裏の中で赤く燃える炭火が、夜の主役なんです。

パチパチ、時折パインッと爆ぜる炭の音。 鉄瓶からシュンシュンと立ち上る白い湯気。 そして、ゆらゆらと揺れるオレンジ色の炎。

ただそこに座って、その火を見つめているだけで、昼間の興奮や疲れがスゥーっと溶けていくような、不思議な感覚になります。エアコンの風とは違う、体の芯からじんわりと温めてくれる火の熱気。それはまるで、古民家という大きな生き物に優しく抱きしめられているような、絶対的な安心感でした。

2. 観光ガイドには載っていない、この土地の「記憶」を聞く

熱いお茶をすすりながら、少しずつ農家さんのお話が始まります。それは、誰かに聞かせるための「講演」のようなものではなく、ポツリ、ポツリと語られる、親戚のおじいちゃんの昔話のような温かい時間です。

「この家の裏山はね、昔はこうやって手入れをしていて……炭焼きの煙が谷戸じゅうに広がっていたんだよ」 「あの畑の角にある大きな石は、何代も前のご先祖様が、一人でここまで運んだんだよ。それが今では、畑の守り神みたいになってるねぇ」

昼間に観光で訪れただけでは決して知ることのできない、その土地に深く根ざした物語。 何百年も前から、この場所で人々がどんな風に自然と向き合い、どんな苦労をして、この美しい景観を守ってきたのか。

お話を聞きながら、昼間、自分が作業をしていた畑の風景が、頭の中でセピア色の映像と重なっていきます。「ああ、私たちが今日踏みしめていた土は、これだけの歴史と、人々の想いが積み重なってできているんだ……」。そう気づいた瞬間、胸が熱くなり、ただの風景だった場所が、かけがえのない特別な場所に変わっていくのを感じました。

3. 静寂が連れてくる、五感のごちそう

お話が途切れると、部屋の中は深い静寂に包まれます。でも、それは決して寂しい静けさではありません。

耳を澄ませば、家の外からは、秋の虫たちが奏でる美しい大合唱が聞こえてきます。 時折、屋根の上を何かの小動物がトコトコと走る音や、風が竹林を揺らすサワサワという音。

鼻をくすぐるのは、囲炉裏の炭火から漂う、どこか懐かしい木の香り。そして、古い柱や土壁が持つ、歴史を感じさせる落ち着いた匂い。

昼間は気づかなかった、これらの小さな「音」や「香り」が、夜の静けさの中で鮮明に浮かび上がってきます。都会では絶対に味わえない、五感すべてが満たされるような贅沢な時間が、そこには流れていました。

4. 火を見つめていると、素直な自分に戻れる不思議

囲炉裏の火には、不思議な力があります。 ゆらめく炎を見つめながら、農家さんの穏やかな声に耳を傾けていると、普段は気恥ずかしくて言えないようなことや、心の奥にしまっていた悩みなんかも、自然と口からこぼれてしまうんです。

私の拙い話にも、農家さんは手を止めて、じっくりと耳を傾けてくれました。 「まあ、そんなに焦らなくても、野菜と同じで人間にも『旬』があるからねぇ」 そんな風に笑ってかけてくれた何気ない一言に、張り詰めていた肩の力がフッと抜けたりして。

スマホの通知音も気にせず、時計を見ることも忘れ、ただ人と人が向き合って、言葉を交わす。 それは、情報に溢れた現代社会で私たちが忘れかけていた、最も贅沢で、人間らしい時間なのかもしれません。

夜が更けるにつれ、囲炉裏の火は少しずつ小さくなっていきますが、その代わりに、心の中には消えることのない温かい灯火がともったような、そんな満ち足りた夜でした。

皆さんも、鎌倉の古民家で、忘れられない夜を過ごしてみませんか? ここには、あなたの心を優しく解きほぐしてくれる、魔法のような時間が待っていますよ。


【次回予告:不器用さんでも大丈夫!?里山の素材で作る、世界に一つの「お土産」作り】

さて、次回のブログでは、ちょっとクリエイティブな体験をご紹介します! 農泊の思い出を形に残したい!そんな方におすすめなのが、里山で採れた自然素材を使ったクラフト体験です。 竹細工?わら細工?それとも……? 「私、すごく不器用なんです……」という研修生の私でも、素敵なお土産が作れたのか!?その挑戦の様子をお届けします。

どうぞ、お楽しみに!

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